バンライフで日本一周をする大学生クリエイター集団「VAN TRIGGER(バントリガー)」さんの連載企画。
今回は、クマを探しに知床半島へ向かうのであったが…
記事中画像提供:VAN TRIGGER
前回は道東を旅し、無料温泉や無料キャンプ場などバンライフにとって嬉しい施設などを通して北海道のバンライフのしやすさなどを堪能した。
またアイヌの文化を学んだり、日本本土最東端で車中泊など普段できないような体験も多く出来た。
今回はクマを探しに知床半島へ向かうことにした。
クマを発見なるか、知床半島へ
クマが出没する野湯!
前回は根室半島→野付半島と進み、ついに知床半島へ向かった。
この看板を見た時、僕たちは「ついに来た!」という感じで大興奮!
特に僕(オズ)は世界遺産が大好き!
これまで39カ国、海外へ渡航して来たが世界遺産がお目当てだったりした。そうなったきっかけも小学2年生の頃に親にもらった国旗の本に世界遺産が多く掲載されていたからだ。
知床半島は2005年(平成5年)に日本で初めて海洋を含む自然遺産として世界遺産に登録された。
流氷が押し寄せる北半球では最も南に位置し、
その流氷によって豊かな自然生態系を生み出している。そしてヒグマからシャチ、エゾシカ、トドなどの大型哺乳類や、シマフクロウやシレトコスミレなどの絶滅危惧種なども多く分布している。それらが評価されて日本では13番目の世界遺産に登録された。
そして知床半島全体が世界遺産に登録されているから驚きだ。
僕たちが知床半島に来た目的はただ一つ!
ヒグマを見るためだ。
動物園などでクマを見ることはあっても、野生のクマとなると訳が違う!
知床半島にはヒグマを見れるチャンスはすごく高い。北海道をバンライフしている時に出会った自転車旅をしている友だちはなんと5回もヒグマを見たらしい。地元の人に聞いても「この時期は冬眠の準備になるので、ヒグマは冬眠を乗り越えるために活発的に食料を求めて動き回るので見れる確率はすごく高い」とも言っていた。
僕たちは北海道に入ってから山道を走っては目を凝らしてヒグマを探したり、「ヒグマ出没注意」の看板を何度も見たが、ヒグマと出会うことはなかった。
なので知床半島に相当な期待を持って来た!
だがこの時期のヒグマはすごく危ないという。
5月から6月にかけて冬眠から目を覚まし、その頃は体重もほぼ無く、ガリガリの状態で気性も荒くなく活発的ではないが、9月から10月はさっきも述べたように冬眠を乗り越えるために食料を求めて活発的になるので襲われる可能性も高くなるので注意しないといけない。
知床半島の注意書にも多くあるが、車から降りて見ることなんてもちろんダメだ。
生身で見る場合も50メートル以上の距離を保って見るのが適正らしい。
毎年知床半島では車で走行中にクマを発見し、その場で路駐してしまい、渋滞が起こってしまうようだ。
到着したのは夕方、明日知床半島横断道路に行こうと思っていたので、今日は知床半島の右側にあたる羅臼の道の駅で宿泊することにした。
到着したのは道の駅知床・らうす。
【住所】086-1833 北海道目梨郡羅臼町本町361-1
ここの道の駅には地元で獲れたシャケやいくらなどが多く販売されていた。
それに知床半島についてのインフォメーションセンターがあったり、知床半島について知れる展示が多くあった。
道の駅の良いところは、その地の名産物や情報をしれるところだ。
直売所にはその地で獲れた新鮮な食品が並んでいるので、何が名産品なのかを知れたり、何が旬なのかを知ることが出来る。またその地の地形から観光スポットなどもまとめられているので調べても知れなかったことなどを知れるのでとても良い!
また道の駅には旅人には嬉しいWi-Fiが完備されているところが多く、作業が出来るようなスペースもあるので本当に助かるのだ。
しかし道の駅の中は夜19時とかに閉まってしまうのでそれと同時にWi-Fiは使えなくなる。
さらに道の駅の良いところと言えば、
バンライファーと沢山出会えるところだ。
これまで10箇所以上の道の駅で車中泊をしてきたが、どこに行っても少なくとも1台はキャンピングカーが止まっているし、やはり同じ境遇だからこそ話しかけてもらえたり、話しかけてもすぐ仲良くなることが出来る。
道の駅知床・らうすでも車中泊をしながら北海道を旅している2人組に声をかけてもらい北海道のおすすめや、たまたま共通の知り合いがいたのでその話などで合流をした。
夜も遅くなり、近くに野湯があることを聞いていたのでそこへ行くことに!
道の駅知床・らうすからは約3キロのところにある熊の湯。
ここは以前摩周湖へ訪れた時に出会った自転車で北海道を旅している旅人におすすめされたところだ。
熊の湯という名前の通り、クマが出没する野湯として有名らしく、クマを是非とも見たい僕たちは「絶対に行く」と決めていた場所でもある。
知床半島自体が世界遺産なので、熊の湯も世界遺産の中にある野湯ということになる!
前回の記事にも出てきたように野湯を何個か回ってわかったのが、野湯はお金がないから行くのではなく、行きたいと思って行く場所になってきた。
お金を払って入る温泉とは比べものにならないくらい気持ちがいい!シャワーなどはないがそんなの気にならないくらい野湯は素晴らしい!
もちろん熊の湯も無料だ。
駐車場から橋を渡り、川を超えると見えてきた。野湯では珍しく男女の温泉が別々になっており、女子の方は屋根で囲われており、男子の方は露天になっている。
僕たちが来たときは日が暮れた後で一番人が多い時だったようで、僕たちを含めて10人ほどいた。
脱衣所で桶をもらってかけ湯してから入浴!
お湯は45度ほどで少し熱いが野湯や銭湯などでそのくらいの温度の温泉を何度も入っていたのでもう慣れてきた。
川の清らかな音を聞きならが入る露天風呂は最高!
温泉では人も多かったので、いろんな人と話した。そして仲良くなった方からはビールをもらった!
北海道に入ってからは一度もお酒を口にしていなかったのでめちゃくちゃ嬉しい!
すぐに道の駅知床・らうすに戻り晩酌。
そのまま道の駅で車中泊。
知床半島に入ってグッと気温が下がった!
外に出ると寒くて白い息も出るほどだ。
「やはり冬になっていくと車中泊も厳しい?」
よくSNSなどでこんな連絡が来る。
この記事を読んでいる人もそう思う人は少なくないと思う。
だがしかし!
僕たちは今のところ冬の車中泊が厳しいなんて思わない!今のところというかこれから2月、3月になっても大丈夫だと思う。
なぜなら、以前書いた記事のDIY編で説明をしているが、冬でも車中泊を乗り越えるために断熱材をバンに多く入れているからだ。
バンの天井、側面にビッチリと断熱材を入れているので、やはり外の冷気が車の中に入りにくいし、中の暖気は外へ逃げないようになっている。
体感としても外と中では明らかに温度差を感じている。
以前僕(オズ)の家の乗用車で冬に車中泊をしながら旅をしたことがあるが、それと比べたら考えられないほど暖かい。
どのようにして断熱材を入れるのかや、どんな断熱材を使用しているかは僕たちのYouTubeに上がっているので是非参考にしてもらいたい。
というわけで今夜もぐっすりと寝れた。
翌朝、目覚めると熊の湯にもう一度行きたくなったので、朝風呂としてもう一度向かった。
朝も早かったので到着したが僕たちだけだった!温泉に浸かりながらくつろいでいると見たことがある人が来た。
その方は温泉バックパッカーとして日本のみならず海外の温泉を旅しながら入る旅人であった。
SNSで知っていたので声をかけた。
野湯のことや旅のことなどいろいろ話せて楽しかった。
今回は、人が誰もいなかったので写真を撮ることもできた。
熊の湯はこんな感じで森の中にある。
周りも川があったりクマが出そうな雰囲気はすごくあった!
まぁ結局クマは見つからず、、、
ってかここで遭遇したら間違いなく命の保証はない!会ってみたいと思うが、遭遇した時の対処法は知らない!
ここで会わなくてよかった笑
熊の湯は無料だし、森に囲われていて雰囲気も最高!知床半島に来たら羅臼からのアクセスもすごくいいので是非行ってもらいたい。
クマを探しに知床散策!
熊の湯を後にして、知床横断道路を走った。
知床横断道路は2018年7月25日に開通した羅臼とウトロを繋ぐ道路。
知床半島を車で横断する道路はこの道一本しかない。
知床横断道路を走ると今までに体感したことがないくらいの霧が発生していた。
僕(オズ)がその時運転していたのだが、10メートル先も見えないくらいで、目の前の中央線を見ながらの走行した。
景色も正直全く見えない。
少し紅葉しているのは見れたが、運転に集中するしかない。
少し走ると知床自然センターという場所があったのでそこに車を止め、フレペの滝という場所へ向かった。
知床自然センターからは片道20分ほどで到着するのだが、道の途中には最近クマが出没し、追いかけ回されたという事件があったとのこと。
この看板を見た時、「クマは会うもんじゃない!車乗っている時に見る!」と当たり前の事を思った。
無事フレペの滝に到着。
岬が大きすぎてすごく圧巻。
滝は右下の黒い部分。すごくちっちゃい。
写真を見て分かる通り、紅葉が少し始まっている。やはり北海道となると紅葉も早い!
帰りもクマに気をつけながら車へ戻った。
こうして知床半島観光は終わった。
あまり動物が見れなかったり、天気も悪かったので残念だったがまた知床半島には来たい。
そしてクマを今度こそ見る!
ちなみに地元の人に後から聞くと、この時期はすごく活発的で発見しやすい季節ではあるのだが、今年は山に食べ物が多くあり、下まで降りてこないので遭遇するチャンスは少ないと言っていた。
インスタ映え!天へ続く道
知床半島から抜け出し、向かったのは北海道斜里町。ここ斜里には今Instagramを中心にSNSで評判の観光スポットがある。
通称「天へ続く道」がそれだ。
【住所】〒099-4123 北海道斜里郡斜里町朱円東
「天へ続く」とはどういう意味なのか。
全長28キロの直線道が広がり、スタート地点の展望台から見るとその先が空へと繋がっているように見えるのだ。
アメリカの一本道のイメージ。
僕たちもInstagramでここの存在を知り、皆行ってみたかった。
車で天へ続く道のスタート地点の展望台へ向かう。
そして到着し、展望台に立つ。
まさに絶景!
本当に天へと続いているように、この道路の先が空へつながっている。
なんだか、じっくり見ていると錯覚を起こすような感じもする。
先日発表された都道府県魅力度ランキングでは北海道は12年連続の一位。
【ブランド総合研究所・都道府県魅力度ランキング】
初めて北海道へ来た僕(オズ)だが、それも納得してしまう。車を少し走らせると天へ続く道のように素晴らしい場所次々に出会える。
12年連続というのには驚きと共に「そりゃそうなるか」なんてことも思わされる!
天へ続く道の展望台は人がとにかく多かった!
すごく田舎で、田んぼ道の途中にあるようなところではあるが、次から次へと人が来る!
観光バスも止まるほど、
やっぱり近年のSNSブームによって人が集まるんだなー
そして僕たちもその中の一人!
脱走不可能?網走刑務所
天へ続く道を後にして向かったのは網走!
そして網走といえば網走刑務所!
僕(オズ)とシュウトは特に歴史が好きなので是非とも行ってみたかったところであった。
網走刑務所と聞いてどんなイメージがある?
僕(オズ)は「監獄」だ。
絶対に出られない、脱獄出来ないというイメージがある。
網走には本当に使用されている網走刑務所とミュージアムになっているところがあるのでミュージアムへ行きどんなところかというのを知りに行った。
すごく本物の刑務所とミュージアムは近いし、本物の刑務所があることを知らないで検索して間違えて行ってしまう人も多いので注意したい。
【博物館網走監獄】
【住所】北海道網走市呼人1-1
学割があるので助かった!
皆休学中ではあるが忘れずに学生証を持ってきていた。
すごく立派な門だ。
後々知るが、本物の網走刑務所も同じ形をしているそうだ。
すごくリアルな人形とあるあるな写真を撮る。
中に入ると記念館があり網走刑務所創設秘話からどんなことがされていたのかなどを知れる。
ちなみに網走刑務所が創設された理由の一つとして、ロシア帝国の南下政策に対する防備を固めるためというものが挙げられていた。
なるほど!
囚徒たちを北海道へ大量に送り、ロシア帝国が来た際は先兵として起動させられ、戦争がない時は北海道の道路を使ったり田んぼの開拓などに利用していたのか。
アイヌ民族の勢力が衰えた後の北海道は政府軍によって開拓されてきたというが、北海道は囚徒によって開拓されたんだなと気付かされた。
ミュージアムの中には牢獄もあり、見学出来る。
約1200人がここで収容されていた。
囚徒たちの仕事にはすごく多様性があり、掃除や漬物の製作、田んぼの開拓、道路工事などがあった。
僕たちが「おもしろい!」と思ったのは、
漬物製作や田んぼの開拓をしていた囚徒たちは牢獄ではなく古屋に寝させられ、朝早く起こされて労働をした。
その小屋では藁の上に寝て、枕は一本丸太だったらしい。その一本丸太に沿って皆寝ていたのだが、指導官が起こすときにその丸太の端を叩き、音を出し起こしていた。一本丸太なので一気に皆を起こせる。
そしてこの行為から生まれたのが「叩き起こす」という言葉。
なるほど!面白い!
また他にも絶対に脱獄出来ないとまで言われたこの監獄から脱走した者の話は面白い。
その者の名前は白鳥由栄。
ゴールデンカムイという明治時代の北海道が舞台のアイヌ民族の争いがテーマの漫画にも出てくる。
その白鳥由栄は脱獄犯としてとても有名なエピソードがいくつかある。
1番有名なのが、お味噌汁エピソード!
網走刑務所では朝夜とお味噌汁が出る。
そのお味噌汁を使って彼は脱獄に成功した。
どういうことかと言うと、そのお味噌汁の中に含まれる塩分を利用して牢屋の柵のネジの部分を錆びさせ、柵を取り脱獄した。
その行為をなんと4年も続けて、錆びさせた。
それだけでも忍耐がすごいのだが、そのサビさせ取った柵は僕の顔も通らないほど小さいが、彼は腕を脱臼させ、その小さな隙間を通ったらしい。
本当に小さい隙間だったので嘘かと思うほど驚いた。
また白鳥は手錠を2か月間で4つも破壊したり、4.5メートルもの高さの塀を飛び越え脱獄したりしていた。
脱獄するスキルはとびっきりだった笑
さらに驚くのは何度もこの網走刑務所に入っている白鳥は脱獄したから捕まったのではなく、脱獄するために何度も自首を繰り返したという。
なんて奴だ!
だが脱獄犯としてここまで有名となるのもすごい話だ。
これが一人部屋。
すごく簡素。
その後現在の網走刑務所の一人部屋や大人数部屋の再現された部屋を見たが、やはり今と比べたら本当に簡素。
現在の牢獄は漫画が置いとあったりテレビが見えたり、またトイレも壁で覆われている。
それを考えると昔の刑務所は厳しい。
北海道の冬は乗り越えられるのか?
不思議でたまらない。
このミュージアムを見学するのは前々から楽しみだったので、これで本当に良かった。
~第12回に続く~