MAXOAK社の大容量のポータブル電源「BLUETTI EB240」を使用してみましたので、レビューをしたいと思います。
BLUETTI-EB240とは
ポータブル電源の中でもトップの大容量を誇るのがMAXOAK社の「BLUETTI EB240」です。何とバッテリー容量は2400Wh(648648mAh/3.7V)もあります。これだけの容量があれば連泊のキャンプでも安心して利用できますね。
MAXOAK社は2016年に深セン市で設立されたバッテリーの専門メーカーです。もともと大容量のモバイルバッテリーで定評のあるメーカですが、ポータブル電源も「BLUETTI」と言うブランドで多くの商品を販売しています。
BLUETTI-EB240のファーストインプレッション
段ボールに丁寧に梱包されて届きました。受け取った時点で、4/5レベルの充電がされていました。
同梱品は、本体とAC充電アダプター(充電用)、ソーラーパネル充電ケーブル(7909-MC4)、取扱説明書、サービスカード、合格書証明書となっています。
内容物 | 数量 |
---|---|
本体 | 1 |
AC充電アダプター | 1 |
ソーラーパネル充電ケーブル(7909-MC4) | 1 |
取扱説明書 | 1 |
サービスカード | 1 |
合格証明書 | 1 |
本体はブルーと白の爽やかな配色で、青い部分はアルミ製で白い部分はプラスチックの筐体になっています。今のところ2400WhのEB240のカラーバリエーションはブルーと白しか有りません。
さすがに約22kgの重量があるので持ち上げるとずっしりと重く、大きめのデスクトップPC位のサイズ感があります。
BLUETTI-EB240の外観
正面にはUSBとDCシガーソケットの出力ポートと入力ポート、LCD表示部があります。
背面には、AC出力ポートが2つ配置されています。
側面には銀色のBLUETTIのロゴがプリントされています(片側だけ)。銀色なので見る角度によって色合いが変化します。側面にゴムパッドなどは無いので、基本的に縦置きだけのようです。
上面にはとても頑丈な取手が付いています。取手は可動式部分が無く、本体を持ち上げてもびくともせず安定感抜群です。
背面にはラベルが貼ってありました。(PIN情報とバーコードにはボカシを入れています)
BLUETTI-EB240のサイズと重量
BLUETTI EB240のサイズは、取手を含めた高さが36.5cm、幅が16.5cm、奥行きが49.4cmです。500mlのペットボトルと比べてみると高さは2本分もない程度です。
重量は約22kgあるのでかなりの重さを感じます。バッテリー容量が2400Whもあるのでこれぐらいの重量は仕方がありませんね。重量があるので置き場所には注意が必要そうです。地面に近い所に置いた方が安全ですね。
BLUETTI-EB240のLCD表示部
LCD表示部には、左側にバッテリー容量が、右側に上から入力W数、DC出力W数、AC出力W数が表示されています。バッテリー容量は5段階表示だけで、%表示には対応していません。
LCD表示はしばらくすると自動的に消えます。DCやAC電源ボタンを押すとまた表示されるようになります。(電源ボタンを長押しすると電源OFFしてしまうので注意)
また、故障がある場合にはエラーコードが表示されます。(エラーコードの詳細は後述)
メイン電源ボタンを入れた後、DC電源ボタンやAC電源ボタンを押してONにしない場合や出力先が何も接続されていない場合はメイン電源も60秒後に自動OFFします。
【出力】BLUETTI-EB240は3つの出力方式に対応
BLUETTI EB240はAC、DC、USBの3つの出力方式に対応しており、全部で8つの出力ポートがあります。同時充電も可能です。
AC出力
AC出力は100-120Vのコンセントが背面に2ポートあります。合計で1,000Wまでであれば、2ポート同時に使用することができます。
AC出力の定格周波数は初期状態では60Hzに設定されていますが、下記の手順で変更することが可能です。
AC出力ポートにTVとノートパソコンを接続してみた
テレビとノートパソコンを接続して使用してみたところ、110Wの消費電力で問題なく動作させることができました。
AC出力ポートにiPhone Xを接続してみた
iPhone XをAC出力コンセントに接続して充電してみました。充電は問題なく出来ていますが、ポータブル電源のLCD表示部には消費電力がゼロのままになっています。
USBテスターで測定してみたところ、電圧5.07V、電流0.96Aで規定通り充電されていることが確認できました。負荷が30W未満の場合はポータブル電源のディスプレイに出力電力が表示されない仕様のようです。
USB出力
USB出力はType-A(5V/3A)のポートが4つあり、USB Type-Cのポートが1つあります。Type-A 5Vの単一USBポートとダブルUSBポートの最大出力は3Aです。急速充電に対応しているかは確認できませんでした。Type-CのポートはPD規格に対応しており、最大45Wまで充電可能です。
最大電力量までは複数のUSBポートを同時に使用することができます。
USB Type-A出力ポートにiPhone Xを接続してみた
USB Type-A出力ポートにiPhone Xを接続して充電してみたところ、問題なく充電できています。
USBテスターで測定してみると、電圧5.12V、電流0.96Aで規定通り充電されていることが確認できました。ポータブル電源のLCD表示部にも5Wと正しく表示されています。
DCシガーソケット出力
DCシガーソケット出力は12V/9Aポートが1つあります。
DCシガーソケット出力ポートにiPhone Xを接続してみた
100均などで一般的に売られているシガーソケットプラグを使ってiPhone Xを充電してみました。
問題なく充電されていることが確認できます。
こちらもUSBテスターで測定してみると、電圧5.12V、電流0.96Aで規定通り充電されていることが確認できました。ポータブル電源のLCD表示部には12Wと表示されており、想定の5Wと開きがあります。測定誤差か電力損失が考えられますね。
出力ポートのまとめ(合計8ポート)
出力ポート | ポート数 | 仕様 |
---|---|---|
ACコンセント | 2 | 100-120V(50/60Hz) |
DCシガーソケット | 1 | 12.2V/9A |
USB-A | 4 | 5V/3A |
USB-C | 1 | (5V/9V/12V/15V) 3A, 20V/2.25A |
【入力】BLUETTI-EB240は2つの入力方式に対応
BLUETTI EB240は入力(充電)ポートが1つあり、家庭用AC電源とソーラーパネルからの充電に対応しています。
AC充電アダプターとソーラーパネル充電ケーブルは同梱されています。
AC充電アダプター
AC充電アダプターは一般家庭のACコンセントから充電するためのアダプターで、50Hzと60Hzどちらの規定周波数にも対応しています。
AC充電アダプターの仕様は下記の通りでした。
項目 | 詳細 |
---|---|
モデル | BC222360040 |
AC入力 | 100-240V/2.5A(MAX) 50/60Hz |
DC出力 | 42V/4.0A |
ソーラーパネル充電ケーブル(7909-MC4)
ソーラーパネルからは最大で500Wで充電することができます。MPPTを搭載しているので、効率良く充電することが可能です。
本製品のメーカーMAXOAK社からは、120W純正ソーラーパネルも販売されています。
フル充電までの所要時間
ACコンセントとソーラーパネルを使ってどのくらいの時間で満充電になるか調べてみました。ソーラーパネルの方が充電パワーを多く取れるのでコンディションが良ければ早く充電できそうですね。
充電源 | 所要時間 | 充電パワー |
---|---|---|
ACコンセント | 約15時間 | 42V/160W |
ソーラーパネル | 約4.8時間(Max) | 16-60V/500W(Max) |
家庭用ACコンセントから充電してみた
家庭にある100VのACコンセントから充電してみると、160W前後で充電されていることが確認できました。
充電しながら給電できるパススルー充電に対応しています。実際にACコンセントから充電しながら、テレビとパソコンに給電してみましたが、問題なく動作しています。
2400Whあればキャンプシーンでこんなに使える
バッテリー容量が2400Whあれば機器をどれだけ使えるか調べてみました。扇風機やサーキュレーター、電気毛布を使っても数日もつので夏キャンプや冬キャンプにも大活躍ですね。
アイテム | 使用可能時間 | 消費電力 | 出力ポート |
---|---|---|---|
テレビ | 24時間 | 100W | AC |
冷蔵庫 | 2.6時間 | 800W | AC |
電子レンジ | 2.9時間 | 700W | AC |
プロジェクター | 51時間 | 40W | AC |
扇風機 | 68時間 | 30W | AC |
サーキュレーター | 81時間 | 25W | AC |
電動工具 | 2.6時間 | 800W | AC |
ノートパソコン | 34時間 | 60W | AC |
電気毛布 | 31時間 | 65W | AC |
トラベルクッカー | 6時間 | 350W | AC |
iPhone 11 Pro Max* | 130回充電 | 3,969mAh(1回充電) | USB |
iPad Pro 11* | 66回充電 | 7,812mAh(1回充電) | USB |
【まとめ】BLUETTI-EB240を使ってみた感想
今回使用してみた「BLUETTI-EB240」ですが、やはり2,400Whの容量はかなり魅力的です。連泊のキャンプで利用したり、防災目的であればバッテリー容量は多いに越したことはありません。
それなりに重量があるので運ぶのは大変ですが、バッテリー容量と言うメリットを考えると大した問題ではないと感じました。大は小を兼ねると言えるのがポータブル電源ではないでしょうか。
純正ソーラパネルを活用するともっと幅が広がりそうです。
「BLUETTI-EB240」は下記のメーカー公式Amazonと楽天市場からご購入できます。
【参考】BLUETTI-EB240の仕様まとめ
項目 | 仕様 | |
---|---|---|
バッテリー容量 | 2,400Wh | |
AC出力 | 電力 | 1,000W |
電圧 | 100-120V | |
定格周波数 | 50/60Hz | |
THDV@0.7R(負荷) | 1 | |
過負荷保護 | 1000W ≦ 負荷 < 1200W@2分 1200W ≦ 負荷 @1秒 | |
電力損失 | < 20W | |
最大効率(>70%負荷) | 88% | |
DCシガーソケット出力 | 電圧 | 12.2V (±1V) |
電流 | 9A (±0.3A) | |
USB Type-A | 電圧 | 5V ± 0.3V |
電流(最大) | 3A | |
USB Type-C(PD) | 急速充電 | PDプロトコル |
電圧/電流 | (5V/9V/12V/15V) 3A (±0.3A) 20V/2.25A (±0.2A) | |
ACアダプタ | 42V/160W | |
PV最大入力電力 | 500W | |
PV入力電圧範囲 | 16-60V | |
PV最大入力電流 | 10A | |
MPPT効率 | 99.50% | |
最大効率 | >88% | |
ソーラー充電モード | MPPT | |
電池仕様 | 2400Wh, 4S60P, 162162mAh/14.8V(648648mAh/3.7V) | |
IP等級 | IP21 | |
動作環境 | 相対温度 | 10%-90% |
動作温度 | 0-40°C | |
外形寸法 | 493.5 x 165.4 x 364.7mm | |
重量 | 22kg |
【参考】BLUETTI-EB240のエラーコード
エラーコード | 問題 | 処置 |
---|---|---|
E001 | 過電圧保護 | 充電を停止して電池を放電させる。 |
E002 | 定電圧保護 | 製品を充電する。充電を完了させて再起動する。 |
E003 | 電池故障 | 本機を再起動して充電する。 |
E004 | 電池放電時の加熱保護 | しばらく放置し、冷めてから再起動する。 |
E005 | 電池放電時の低温保護 | しばらく放置し、温まってから再起動する。 |
E006 | 電池充電時の加熱保護 | しばらく放置し、冷めてから再起動する。 |
E007 | 電池充電時の低温保護 | しばらく放置し、温まってから再起動する。 |
E008 | 1番目セルの低電圧保護 | 直ちに充電し、フル充電になると再起動する。 |
E009 | 2番目セルの低電圧保護 | 直ちに充電し、フル充電になると再起動する。 |
E010 | 3番目セルの低電圧保護 | 直ちに充電し、フル充電になると再起動する。 |
E011 | 4番目セルの低電圧保護 | 直ちに充電し、フル充電になると再起動する。 |
E012 | 低電圧によるインバータの母線故障 | 本機の電源を切入する。 |
E013 | インバータの過負荷保護 | インバータの出力ポートが過負荷になっているか確認する。AC出力を切入して復帰させる。 |
E014 | インバータの出力ポートが短絡している | インバータの出力ポートが短絡しているか確認する。AC出力を切入して復帰させる。 |
E015 | インバータのヒートシンクが加熱している | しばらく放電し、冷めてから再起動する。 |
E016 | ヒートシンク温度未検出 | NTCを挿入し再起動する。 |
E017 | 過電圧保護 | ソーラー充電ケーブルを外してから本機を再起動する。 |
E018 | 過電圧保護 | ソーラー充電ケーブルを外してから本機を再起動し、ソーラー充電ケーブルを再挿入する。 |
E019 | 太陽電池モジュール用ヒートシンク加熱保護 | 太陽電池モジュール用ヒートシンクが過熱している。しばらく放置して冷めてから充電する。 |
E020 | 太陽電池モジュール用ヒートシンク温度未検出 | 本機を再起動する。 |
E021 | 電池保護板の充電保護 | しばらく放置し、温度が許容温度に戻ってから充電する。 |
E022 | 電池保護 | ソーラー充電ケーブルを外してから、本機を再起動する。 |
E023 | 過電圧保護(システム) | 総出力電力が過負荷になっているかを確認し、本機を再起動する。 |
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